2012年10月23日
ゴッホコレクションより(パート3)
「ぼくは "馬鈴薯を食べる人々” で苦労している最中であることをきみに伝えておきたい。
再び頭部の習作を行ったところだ。特に、手は大きく変更した。」
「小さなランプの光の中で皿に手を伸ばし馬鈴薯を食べているこれらの人々は、
その手で大地を掘っていることを、つまり、この絵は、自ら食べるものを
誇り高く収穫する手の労働を描いているのだという印象を、ぼくは慎重に
作り上げようとしたのだ。」 1885年4月 弟テオ宛 ーゴッホの手紙(西村書店発行)ー
洗練された都会の生活よりも、田舎の風景や自然の中にこそ描くべき
テーマがあると早くから確信していたゴッホです。
また執念深く緻密に目標をたて画力を身につけたゴッホでもありました。
その果てに、ついに到達した「精神の表現」をこの馬鈴薯シリーズで一気に花開かせました。
ゴッホにとって、一つ目の到達点でしょう。